ロマンチックモード

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ドラマ「義母と娘のブルース」

あらすじ:
父と再婚した母と、私との心温まるビジネス会話集。

9月18日、ついに終わってしまいました。初めから最後まで、丁寧に積み重ねてきた描写が一つの言葉に集約されていく、気持ちのいい最終回でした。

義母である亜希子さんの、その極端な言い回しや立ち回りが、いかに彼女の人生が厳しく辛いものだったのかが垣間見えた最終回。みゆきを育てたのは、いわゆる「普通」を過ごせなかった自分自身を育てなおすため、いわばみゆきを利用しただけだと、自分自身のエゴだったのだ。そう言いながら亜希子さんはみゆきの痛みや喜び、悲しみが自分のことのように思えるとも言う。それを受けて、みゆきは言うのです。「それは愛だ」と。

途中、タイムラインで「もうこれで終わりでいくない?」と誰もが願った最終回のように幸せな家族回がありました。竹野内パパが退院し、初めて川の字で寝た回だったと思います。その回には予告がなく、次の週、冒頭から何の説明もなくお葬式ですよ。お葬式。死んでやんの!!!竹野内パパ!!!!あのー、本当に、この時は、久しぶりに大泣きしました。なんてこった。死んではいけないひとが死んでしまった。そしてその回はそれまでロボットのような表情だった亜希子さんすらみゆきと一緒に大泣きするのです。これはもう、演出が素晴らしいとしかいいようがない。やられた。予告しないという英断。

そして、その次の週から時計の針が10年進み、高校生になったみゆきがそこにはいました。このみゆきが!なんともちゃらんぽらんなのであります!うっわー!こいつはたまげた!子供時代からは想像もつかないくらい楽観的で底抜けに明るいのです。そのあまりの変貌ぶりに「みゆきは亜希子さんと本当に幸せな10年を歩んできたんだな」と思いました。じゃないと本当にこんなに…ちゃらんぽらんにはなりませんよね。(2回言った)そして、そのみゆきが、最後に義母に「それは愛だ」と言うんです。熱いぜ…
亜希子さん自身にほとんど母親がいなかった分、自分がしてほしかったものを素直にみゆきに渡せたんじゃないかなと思います。それらを亜希子さんは「エゴ」と言ったけれど、してあげたい、渡したいと思うことそれ自体が「愛」なんですよね。みゆきを見れば十分わかる、亜希子さんの偉大な愛です。

主に亜希子さんの絶妙な世間とのズレと、田口君の不憫さ、そして佐藤健店長の表情からすらよく分かるバカっぽさ、もちろん前半はとにかく竹野内豊パパのカッコよさと可愛さに悶絶した3か月でした!本当に楽しかったー!ところで店長、一瞬だけちゃんと佐藤健になってたね…あの…亜希子さんの額にチューするところ…あそこだけただの佐藤健だった…死ぬかと思った…