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これまでのルパンレンジャーVSパトレンジャー と、#33「僕らは少年快盗団」

9/23、ついに放送されてしまった…これまで描写されてきたそれぞれの個性がいかんなく発揮された33話「僕らは少年快盗団」。恐ろしいものを見た。あまりに動揺しすぎて「クマサーーーーーーーーーーーン」と叫びながら腹筋してしまった。(20回)その…気持ちのやり場に困ってしまって…
ということを友人に言ったら「そういう時のためのブログなのでは」と言われてしまった。確かに。

2月に始まったルパパトも残すところあと15話。(48話換算)昨日1人なのをいいことに思うままこれまでのルパパトをザッピングして観ていたのですが、個人的に捨て回のないどこを切り取っても面白い戦隊だなあと改めて思いました。ちょっとまとめておこうと思います。

※「ちょっと」と書いてありますが4,000字近くあります。

あらすじ:
伝説の大怪盗アルセーヌ・ルパンのコレクション(以下ルパンコレクション)がギャングラーに盗まれた。ギャングラーはそのルパンコレクションを悪用し地球で次のトップの座を争い始めます。迷惑な話です。ギャングラーに大切な人を奪われた3人(夜野魁利、宵町透真、早見初美花)は謎の執事コグレさん(温水さん)の「ルパンコレクションをすべて集めれば大切な人を取り戻せる」という言葉を信じルパンレンジャーとなり、ルパンコレクションを奪う怪盗となります。市民の生活を守る国際警察のパトレンジャー(朝加圭一郎、陽川咲也、明神つかさ)はギャングラーの撲滅と怪盗であるルパンレンジャーの逮捕に乗り出す-

すでに33話ですので、追加戦士も登場し、このあらすじから大分関係性も進んでいます。1話の時点ではルパンレンジャーは変身できるのに対し、パトレンジャーはVSチェンジャー(変身アイテム)すらないところから始まりました。そして何より朝加圭一郎の銭形み溢れる「おのれルパンレンジャー」とにかく捕まえたい一心でしたね。*1ただ、ひとつ一貫しているところは「危険性の高いほうを優先する」という判断をするということです。すなわち市民に直接危害が及ぶギャングラーと物を盗むだけの怪盗だとギャングラーを優先します。そのため、散々ルパンレンジャーを逮捕すると宣う割には逮捕できてないわけです。(言い方~!)

パトレンジャー側が変わった面の方が大きいなと改めて思いました。そもそもパトレンジャーは事情もクソもありません。もちろん国際警察になったいきさつはそれぞれあれど、その目的は普遍的なもの、つまり「平和」であるということです。この「平和」というものに対してはつかさ先輩が一番重きを置く部分だなと感じています。

圭一郎が毒針に倒れた回が印象的です。(15話)圭一郎はよく「みんなの平和を守るのが俺たち国際警察の仕事だ」と言っていましたが、毒に侵されながらも任務を遂行してしまい意識を取り戻さない圭一郎に対し、つかさ先輩は「”みんな”だぞ」と、「みんなの平和」の中には圭一郎も含まれているんだぞ、と言うのです。そしてこの回では圭一郎とルパンレッドの違いも語られています。いわく圭一郎は「たまにブレーキが効かなくなる」、対してルパンレッドは「ブレーキが壊れている」(24話)。つかさ先輩は後方から冷静に分析するいわば頭脳ですね。

序盤はとにかくパトレンジャーの朝加圭一郎が株を上げに上げまくっていました。いわば理想の上司です。最初はとにかくあばれる君(!)から離すことが大変でしたが最近は前髪も落ち着いてちゃんとイケメンです。上記の通り本当に危険な方を判断し優先することができる。後輩を諭すこともできる。(11話)最初こそギャングラーとの戦いを引き延ばしてルパンレンジャーをおびき出そうという欲もありましたが(6話)、最近はつかさ先輩とは別のルートでルパンレンジャーを見ています。「何故ルパンレンジャーはコレクションを盗むのか」圭一郎がこの疑問にたどり着いたのは追加戦士である高尾ノエルの存在が大きい。

ノエルはルパン家と縁深い、コレクションを戦闘に使用できるように改造するエンジニアであり、警察・怪盗の両方に変身するずっるーなヤツです。あまりのうさん臭さと無駄なアクション(会話中突然パルクールを始める)、そして何より顔のうるささに慣れるまで少し掛かりましたが今となってはこれくらいパンチが合って丁度いい塩梅です。なにせ魁利と圭一郎、夜と朝の繋ぎ手ですから。彼自身もルパンレンジャーと同じく「ルパンコレクションをすべて回収し大切なものを取り返す」ことを目的としています。なので盗み、且つ倒す。この「倒す」の部分にギャングラーに対する私怨を感じるんですよね。ルパンレッドこと魁利が好戦的な分目立たないですが一番節操がないのはノエルなのでは、とすら思えます。自分で作ったコレクションを自分では使わなかったり、彼自身もルパンコレクションがすべてそろっても何が起こるか分からないと言う(これ自体本当かどうか怪しいと思う)。しかし小出しの情報でパトレンジャー側に変化をもたらしてくれているのも事実なのです。

魁利と圭一郎、この2人の物語は30話「ふたりは旅行中」でひと段落ついた様相です。女の子が失くした髪飾りを圭一郎は探し、魁利は同じものを買う。これ、どちらも正解なんですよね。でも魁利は圭一郎の行いにいつも自分よりできた(と思い込んでいる)兄を重ねます。圭一郎は人のいいところを見つける天才です。それは同僚に対しても魁利たちに対しても同じ。そこが一層兄と重なる部分であるという描写もありました。なによりコレクションを奪うにもギャングラーを倒すにも警察との協力が不可欠となった際(32話)には「言葉で伝わる相手じゃないが、お願いするなら圭一郎しか考えられない」仕事の早い方々が早速ルパンレッドの「支離滅裂な思考・言動」コラを作っていましたが、本当これは見てないとこのコラそのまんまなんですよね。でもこれまでの2人のやりとりと、魁利の心境の変化を考えるとこぶしを握る部分だったと思います。

30話では圭一郎がルパンレッドにコレクションを託す場面もあります。これは決して圭一郎がルパンレンジャーを信用したのではなく「市民の安全を考えた最上の選択」であるからです。ギャングラーとの戦闘が難しくなってきた今、ただ捕まえたかった序盤よりも反発力は強くなってきた気がします。「怪盗であるルパンレンジャーと手を組むことは市民の信頼を損ないかねない」、警察だからこそぶち当たる壁です。個人的にはノエルの副作用では?とか思ってしまうけど手を組めない理由が頭では分かっている上でルパンレンジャーとノエルが何故コレクションを必要とするのか、そこにしっかり感情を乗せる朝加圭一郎(32話)、まだまだ株を上げていきますよ!

で、で!で!!!!33話なんですけど…

自分の魅力を最大限活用する夜野魁利とつかさ先輩のアグレッシブがさく裂して家のテレビが割れるかと思いました。個人的にはチビ魁利の「クマサーーーーーーーーーーーン」がもう、本当、無理でした。あざとい。あざとすぎる。というか、最初「アグレッシブすぎる、やばくね?」というの、てっきり透真か誰かが言ったのかと思ってたんですが、チビ魁利がほっぺすりすりされながらだったんですね。うん、これは、やばいね。
もう少しマジメに言うと、チビになった3人が本当にそのままチビになっただけで中身がしっかり3人だったこと(特に透真、ああいう振り返り方するなあと思ってみていました)と、可愛いもの大好きなつかさ先輩の堪えきれない笑み、ノエルのずる賢さとそろそろ扱いに慣れてきた圭一郎、咲也の二度見芸(本当うまい)、そして魁利の中の人のコグレ演技の良さ!落ちるコグレレッド!圭一郎はまたしても「VSチェンジャーはなくなったが迷子の子供たちは迎えが来てよかった」という理想の上司感!!!(すいませんそれただのルパンレンジャーです!!!)見どころ満載の33話でした!

ここにきて、まだパトレンジャーがルパンレンジャーの正体を知らないことが効いてきてるなーと思います。シリアスで効くのはもちろんのこと、こういったコメディ回でもおかしみが増します。実際ロボ内席替えでもルパンレッドの隣にパトレン3号が座るとそれぞれ別の「…」でしたしね。(25話)このあと魁利がつかさ先輩に出くわすシーンもどんな顔して会うのか見ものすぎてたまらんのですが、さらにルパンレッドの状態で相対して戦闘となるとめっちゃ顔が近くなったりするかもじゃないですか、これはもう妄想ですけど完全にごちそうさまですと思いました。すいませんなんか…良さみが深いと語彙力が…ちょっと…

34話ではまたルパンレンジャーたちの過去が関わってきそうですが、そろそろ「氷野郎、元気かな…」と誰もが思っているところだと思うので、そこんとこよろしくお願いしますということと、この33話を見た後「シシレッド&ホウオウソルジャーと遊ぼう!」に出掛けたことだけ追記しておきます。ご清聴、ありがとうございました。

*1:ルパンコレクションは私物になっていることもあるため一般市民(?)からガチ怪盗する場合もあります。