第13話 備える
3月11日、非常持ち出し袋を整理する。今の家に越してからしばらく『備える』ということに対して意欲が湧かず、1人暮らしの頃に作っておいた非常持ち出し袋をそのまま置いておいたのだ。
もちろん昨年の地震の時にはその袋は少しだけ役に立った。バッテリーと懐中電灯をすぐに手元に置くことができたのは非常持ち出し袋のお陰である。しかしそれ以上でも以下でもない。物資の供給の不安定さは予想以上に私の精神を追い詰めたようで、ようやく開いたスーパーで不要に買い占めた缶詰が今でも引き出しの中にあったりする。Twitterで下記のツイートを見て、ようやく身体が動いてきた次第である。
「「備え、しかる後にこれを超越してほしい。」これが、東日本大震災を実体験した私たちが伝えたい最後の教訓なのです」無料です。役所の渾身の記録です→国土交通省 東北地方整備局 東日本大震災の実体験に基づく 災害初動期指揮心得 https://t.co/UGo19zDFev
— カカオ99 (@netinago99) 2019年3月11日
東日本大震災では、過去の災害を研究し、考案し、訓練した事だけしか、実際の役には立ちませんでした。しかしながら、災害の様相は毎回異なっています。過去の教訓に精通した上で、これを超越し、自由自在に「応用」してこそ、将来の大災害に対応できます。「備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった。」「備え、しかる後にこれを超越してほしい。」これが、東日本大震災を実体験した私たちが伝えたい教訓です。
非常用持ち出し袋を準備する
この日整理したのは非常持ち出し袋のみであった。参考にしたのは「備える.jp|備えと防災・災害と危機管理の総合情報サイト」というサイトの、「「非常用持ち出し袋」は命を守るための道具に厳選|備える.jp」というページである。
大前提は以下の1点のみだ。
- すぐに持ち上げることができ、背負える重さである
あれもこれも入れたくなる気持ちを抑えながら、サイトに書いてある最低限のものを、お気に入りだけど地下鉄通勤になり出番が無くなってしまったNIXONのバックパックに入れた。白色で気に入っているので、部屋にドンと置いておいても嫌じゃない。鞄に入れたものを列挙すると参考サイトの転載のようになってしまうので、後で入れ替えるもの、買い足したもののみ書いておく。
後で入れ替えるもの
- レインコート類
現在1人暮らしの時に購入した100均のポンチョと無印の小さくなるダウンベスト、同じく無印の小さくなるウインドブレーカーが入っている。昨年のRSRの大雨で辛酸を舐めることとなったため、今年は防災とフェスの用途としてゴアテックスのしっかりしたレインウエアを上下揃える。モンベルで5、6月に購入したい。
- 1日分の下着の着替え
現在使い古しのものをジップロックに入れてあるが、そういう時こそクリーンなもののほうが精神的に安心しそう。また、圧縮袋もあったほうがいい。今週末の無印の良品週間でシンプルなものを1つと圧縮袋を購入する。
購入するもの/したもの
- 携帯ラジオ
一番シンプルなものを購入した。手回しで充電できたり、ライトが付いていたりするものが出ているが、ひとつに何役も担わせるのはよくない気がする。それがダメになったときのダメージは少ないほうがいい。その為には役割を分散させればよい。ひとつにつきひとつの役を担わせることが一番シンプルでいい方法のような気がする。ビックカメラで購入したものがちょうどアマゾンにもあった。
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- ホイッスル
思い出してほしい。映画「タイタニック」ではこのホイッスルが主人公の生死を分けたと言っても過言ではない。と思いながらも今までなんとなく購入に至らなかった。一度買ってしまえば終わるものは、この際買ってしまった方がいい。レインコートを検索していたら防災用品が揃っていたのでモンベルで購入した。
- エマージェンシーシート
銀色のシートである。これもなんとなく揃えていなかったが、モンベルでカシャカシャするスタンダードなタイプのものが300円ちょっとだったので購入した。
- ヘッドライト
LEDライトがあるので迷ったが、光源が多いに越したことはない。手持ちのライトを増やすよりはと思いヘッドライドにしてみた。フェスでの使用も見据えてちょっと見た目への欲が出てモンベルで購入した。
- 踏み抜き防止パッド
靴底に入れて使用するものである。調べたら1,000円程度で買えるようなので揃えてしまおうと思う。ヨドバシで注文した。
すぐに背負えて、その日1日を生き延びるための非常持ち出し袋の整理は、遠足の前日に行う準備のようで楽しくできた。これくらいの気持ちで作ってしまうのがいいかもしれない。
備蓄・インフラ代替セットを考える
こちらが全くできていなかったのが、昨年自らを不安に陥れた原因である。少なくとも水と火だけでも備えておくだけで大分違う。地震に対する常備品として火の使用を悪のように思っている火の元警察もいるようだが、生きるためには食べなければならず、食べるためには割と火は重要なアイテムだ。余震が無くなると同時に電力も復旧するわけではないので準備するに越したことはない。
考え方としては、備蓄=インフラ代替セットになるよう整えたい。そして備蓄自体は長期保存のものは極力使わず日々の食生活の入れ替えで補いたいところだ。火を使わず食べられるものを1人9回分(最初の3日)、火を使って簡単に食べられるものを1人12回分(あとの4日)で7日分用意したい。つまり7日分の献立を考えれば良い。そういう風に考えると楽しくなってくる気がする。
- 水
1人につき1日2リットル~3リットルと言われている。最初2リットルのボトルで揃えようとしていたが、ロハコで550ml×48本セットが1本72円で底値を叩いていたので購入した。550mlのペットボトルなら毎日の通勤に持っていけるので使用しながら備蓄することができる。元々家で常時2リットル6本入りが1箱ある状態を保っているので、2人分として丁度いいと思われる。
- カセットボンベ
なんとなく9本常備しておきたいと思いヨドバシカメラで注文した。増やすかもしれない。
- 炊飯用土鍋
鍋自体はあるが、米を炊く用のものがあると、そちらで炊いておいて、こちらでは別の調理、ということができる。ヨドバシで購入予定。
- 無洗米2キロ
1日3合(450g)×4日として2キロ。常備米として、通常とは別にあってもいいかもしれないし、5キロでもいいかもしれない。購入は未定。
- ドライシャンプー
1本400円くらいで意外と安い。非常時にしか使わないので使い心地などどうでもよい。というか使わない方が良い。スプレータイプのものもあるが割高なので非常用としては必要ないと思う。
- 非常用トイレセット 50回分
ヨドバシカメラで注文した。一度買えば済むのだけど場所も取るだろうし勇気が出なかった。でも一度買えば済むのである。これで5,400円だったので1個あたり108円の計算だ。50回というのは1人の1週間分という計算になると思われるので、本来ならもう1セット必要なのだが高い。今回届けば大きさが分かるので、しまう場所も考えてもう1セット購入したいところではある。
- ウォーターバッグ
自分で備蓄する飲料水とは別に、断水が続いたとき用にヨドバシカメラで注文した。7リットル3枚セットで918円だった。これも一度買えばいいものなので勢いが大事である。
火を使えない最初の3日の食事について翌日熟考したら、どうしようもない結論が出たので暇な方はどうぞ。
yumegiwa.hatenablog.com
備えるうえで大事なこと
良品週間でごはんにかけるレトルト食品を色々と買い込みたいな、などと思っているけれど、やはりあれもいれたいこれもいれたいとなるのだ。備蓄やインフラ代替セットとしては何を入れてもいいのだけれど、「なくてはならないもの」をきちんと揃える、というのを意識しながら、そしてお財布と相談しながら揃えていきたいと思う。