ロマンチックモード

日常と映画と本と音楽について

第7話 ビルドする

1月27日、朝7時に目を覚まし、まずは洗濯物に取り掛かる。その後、先週から試運転している向こう5日間で食べるおかずの作り置きを行った。鶏肉のトマト煮、ちくわと小松菜の炒め物、肉じゃが、ハンバーグ、かぼちゃの煮物、ゆでたまごをニチアサ視聴を挟みながら午前中にこさえることに成功した。(初めて作った鶏肉のトマト煮はレシピ選びを失敗した模様、そんなにおいしくない)ニチアサをご覧になった方はお分かりかと思うがこの日のニチアサはジオウで宇宙ネコ顔になりルパパトで号泣した。それを挟みながら任務を遂行した私を褒めて欲しい。

しかし、この2つについては以降来るイベントについての障害の一切を取り払うための行いでしかない。常日頃の行動を鑑みても全く気を使わなくとも余りあるインテリジェンスを持ち合わせている自覚は大いにあるが今回に至っては関係ない。必要なのは「目に見える結果」である。

実のところニチアサを見ている最中に第一陣が来た。1人掛けソファーである。このソファーは座るところが内側に折りたたまれており開くと足を伸ばすことができる。その上リクライニング機能が腰と頭部二か所に設置してあり180度開くことが可能。何が言いたいかというと簡易ベッドになるということだ。この商品を見つけた時すでに9割方勝利を確信していたが私は完璧主義者である。勝利を確実なものとする決定的なものが欲しい。この時点でホットカーペットは届いているので尻の心配はクリアしている。勝利を確実にするもの―それは「実家感」だ。

ふかふかのブランケットも届いたところで調理も一段落し、来るべく勝利の一手を最高の環境で迎えるため掃除機を掛けた。ダニの予防に余念がないのも私の数少ない気の利くところである。しかしその勝利の一手がなかなか来ない。梱包の解かれたソファー、それに座りながらくるまる毛布も揃い、本当は一番最初に来て欲しいそれが届かない。もうこれは、全ての環境を整えておくしかない。そうして私はとうとう手に入れたニンテンドースイッチに手を掛けたのである。

もし私みたいな人がいたら教えてあげたい。何を隠そうゲーム自体は大好きでプレイしたいのだがめちゃくちゃ下手なのである。なのでどのソフトがちゃんと遊べるのか自信がなく結局ソフトを買えず帰ってきたのだが、心配無用、スイッチは本体だけ買っても十分遊べる。最新ゲームに不安がある人は迷わずクラブニンテンドーライセンスを購入すれば解決である。もちろんPS4でも過去タイトルは色々あれど、私のような久々にちょっと本当にやる気出したいけどクリアする自信ない勢にニンテンドーファミコンゲームはうってつけなのである。そしてPS4とスイッチ、両方のセッティングを行った私が言うので信じて欲しい。スイッチの設置ちょう楽。PS4はほとんどPC(スペック的に当たり前なのだが)で、要不要の判断が付けられない(慣れていない)人に対して画面変換が優しくない印象だったのが、スイッチに関しては本当に一ゲームとしての機能しか果たしていない。起動までの誘導も優しくさすがの一言。そして体験版の豊富さ。ソフトを選べない代わりにクラブニンテンドー12か月ライセンスを購入してすぐにドクターマリオをし始める30代女性。これについては完全に森です。タタラバか森でいったら完全に森。最新機種で最古種のソフトを遊ぶという森的インテリジェンスがここに極まった…と感動しながらツインビーで爆死していたらついに来た。最終兵器である。

実家と言えば、そう、ペルシャ柄である。1.5畳用ホットカーペットをぴったり覆い隠すペルシャ柄ラグがついに届いた。居間の大画面最新TVにはドクターマリオのエンディング画面が流れている。勝った。そう確信した。ラグを敷き、1人掛けソファーを設置、テーブルをしっかり移動させブランケットを掛ける。居間に設置したスイッチも移動させ、晴れて私専用セーフティールームの完成である。こうして居間から漏れる「キングダムハーツ3」の音を聞きながら尻を守りかつ温めつつ、大河ドラマ「いだてん」を見たのち「ドラゴンクエストビルダーズ2」体験版に勤しむのだった。以上、第7話、ビルドする、完。