ロマンチックモード

日常と映画と本と音楽について

夜のピクニック

こっちのほうが先に読んだのにね…!

あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。

そうそう。これ、無理っすよ!だって仮眠が確か2,3時間とかしかなくて、しかも何時までに学校に着かなきゃいけない時間制限つき…てムリムリ!読んでるだけでも疲れてきます。でも、読後感の良さはまさに青春小説。これもまた読後ぱらっとめくるとどこもかしこもキラキラしてることこの上なし。
正直最初のほうはなんの進展もしない。でもこれが効果的で、一緒に歩きながら今までの経緯とかを聞かせてもらっている、そんな気になってくるのです。とにかくひたすら歩く、歩く、歩く。そして唐突に奇跡が起こる。
それぞれが持っている感情は全てが決してさわやかなものではないけど、人間の感情にはそれぞれ理由がある、ということがとてもよく分かる。たとえば同じ映画を見てもそれぞれ感想が違って、そこには「何故そう感じたのか」という理由があるでしょう。「さくらん」を見て私が「人生って最高!ちょう前向き映画!」て騒いでる横で「ポルノ映画」と称する方もいらっしゃる。そういうことです。(えーっ!)
本を読んで「楽しかった!」*1っていう感想、なかなか出ないと思うので、まだの方は是非。

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

*1:普通「面白かった」なんだけども。