ロマンチックモード

日常と映画と本と音楽について

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落、とある日。
和合(わごう)曽太郎とその妻・加奈子が、不慮の交通事故死を遂げた。
両親の訃報を受け、音信普通だった澄伽が東京からふらりと舞い戻る。
沈殿していた姉妹の関係はついに爆発炎上し、周囲の人々もその渦の中へと巻き込まれていく。(公式HPより)

すごかった。何がすごいってサトエリが。サトエリが。サトエリが。(今日は何かと3回言ってみることにします)
サトエリがこれ以上はあり得ないってくらい性格の悪い女で、いっそすがすがしかったです。むしろ格好良かったです。そう感じてしまう辺りに自分の性格の悪さも思い知らされます。結局誰も何もしてない・できてないのに人がどんどん死んでいくあたりも好感が持てました!
「家族」という言葉が多用されています。「家族はこうあるべきだ」という固定観念に囚われていたり、「家族だから」という理由で理解した気になっていたりする。

「やっぱりお姉ちゃんは最高に面白いよ」

自分の中でパンパンに膨らんで、もう何かひとつでも刺激を加えればすぐにはじけ飛んでしまいそうな風船が、妹のまさかの一撃にあっけなく破裂してしまった。そしたらもう開き直るしかないんだろうか。そういう解釈もあるし、もっとキレイな解釈もできる。だんだん冷静になってくると余白が多くて嬉しい終わり方だったなぁと思う。
それにしても萌えどころ満載でした!サトエリは顔の歪み具合とスタイルの抜群さがちょう怖かったし、妹役の子はもうこれ以上ないってくらいメガネでした。裸を撮られそうになったり熱湯風呂に入れられたりもうMにはたまんないですよね!(サイズが)
ところですっかり忘れてたんですけどチャットモンチー「世界が終わる夜に」が流れてきたときには感動した。スタッフロールまで完璧。最近試写会ばかり行っていたので本編が終わった途端90%帰宅開始が多かったんですけど全くその気配がなくて逆に怖かったです。
あと最後に、この兄妹は確かに破綻していましたけど、一番根本がおかしくなっているのは間違いなく永作博美だと思いました。そして、サトエリが一番まともに見えてくる不思議。
と思ったら公式にこんなコメントが。

出てくるキャラクターに何回も「ガーン」ってなりました!
澄伽が一番マトモに見えてくるのが不思議。
梅佳代さん(カメラマン)

う、うめかよー!大好き!とりあえずあなたの写真が大好きだということと、同じ意見っつーかもろかぶってんだこのやろう言い回しとか!
あと個人的にこのコメントが一番好きでした。

夢ばかり語っている何もしてない若者よ!さむいぞ!!面白いぞ!!
― 森本容子さん(KariAngプロデューサー)