そのときは彼によろしく
今タイトルを打ったら「よろしく」の部分が一発で「夜露死苦」になりましたがそれはおいといて、いいものを読ませていただきました!正直馬鹿にしてた。確かに普段読んでいる本にあるロジックや驚きはなかったけれど、これはこれで良質な感動を頂いた、という感じです。
そもそも帯を見れば「ファンタジー」て書いてあるんですよね。あたしったらごめんねドジっ子ちゃんだわ。(スティック読み)普通に「あーなんか3人で?友情だの恋だのして最終的には誰か死ぬんでしょ?」と思ってました。すみませんでした。本当にすみませんでした。びっくりするほど誰も死ななかったです。いや死んでるけど死んでなかったですすみませんでした謝ればいいんだろこの野郎。(若干ヤケ気味です)
小学生の頃の仲良し3人組がふと集まってくる。蘇る過去の思い出と引き継がれる現在の事件。
最初は正直乗り気ではなかったのに、一文が短く淡々とした文章なのでさくさく進んでいく。そのうちにふんわりとして抵抗しつつも上手く理解して道を進んでいく主人公に手を引っ張られる形でどんどん気になってくる。果たして誰がこのセリフを言うのか。すなわち「そのときは彼によろしく」と。
「恋愛」というより「家族」に重きを置いた小説だと思いました。「家族」というのもちょっと違う気がするけどそれに似た関係が強く描かれていて、しかも自然。例えば普通に親子だったり、親と友達、友達の親と自分。
とても良かったです。ファンタジー&ノスタルジック。素敵なハッピーエンドつきで文庫本価格!でも今売ってる本についてる帯は取った方がいいです。何故なら配役絶対間違ってるから。(ここは頑な)
- 作者: 市川拓司
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/06
- メディア: 文庫
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