ロマンチックモード

日常と映画と本と音楽について

それなりの理由があります:ハルカトミユキ/ゲスの極み乙女。

7月に久しぶりにブチ切れたのが記憶に新しいうちにまたその波が来ています。日曜日にあんなに楽しいことがあったのにこの体たらくですけどやっぱりね…それとこれとは別なんですよ…!こんなもんある一定の周期で大なり小なりくるもんだと思いつつ、それが爆発するのにはやはりそれなりに理由ってもんがあるんですよね。
具体的にはもんげー辛気臭いのでもし聞きたければ皆さんは是非この機会に私を飲みにでも連れてって聞き出して欲しいわけなんですけど(出会い厨)そんな中先週また「いくらか聴いたことはあるけどアルバムは聴いたことないアーティストを把握する祭り」を開催したんです。モーモールルギャバンゲスの極み乙女。の新譜も含めてどさっと入手したんですけど、今こういった精神状態にぴったり寄り添うのがハルカトミユキでした。
ところで私事で恐縮なんですけど大変恥ずかしいことにファッションセンスというものがなかなかにわたくし欠落しておりまして毎月しっかり雑誌を買って熟読しないことには目も当てられない状態になるんですけど、買ってる雑誌というのがFUDGEというなかなかモード〜〜!なヤツなんですね。(地味に恥ずかしい!)その巻末に「アーティストがお薦めする3枚」という、その名の通り各アーティストがその月・時期に聴くと最高よっていうCDを毎月3枚ずつ紹介するコーナーがあるんですけど、先々月までの丸1年かな?DJみそしるとMCごはん前野健太シャムキャッツ、そしてハルカトミユキが連載してました。この雑誌ファッション雑誌のくせしてなかなかクセのあるところを突いてくるというか、むしろ「お前誰だよ」が今月からさも当然のように連載スタートさせてて先々月までのメンツが奇跡的に全員知ってたんです。
で、まぁハルカトミユキなんですけど、そういった具合で毎月彼女の書く文章を読んでいると「ちゃんと聴きたい読みたい」欲がぶち上がりましてようやく手に出来たわけですすいません前置きが長くなって。そうしてとりあえずもう10年選手になろうかという我が家のDENONのミニコンポ(ミニコンポ笑)(MD付いてるけどすでに壊れて一切聴けない)(CDも結構飛ぶ)に入れて、かけて、編みものしてたら、なんといいますか、ドカーーン!とかそういう衝撃じゃなくて、あぁ、うん、いい、いいね、いいね…!ぬおおお…とジワジワきて9曲目の「伝言ゲーム」でようやくドッカーーーン!もう最高!!!!てなりました。分かりませんね。はい。
まずですね、ハルカトミユキという名前からもう少しガッツンガッツンしたのを想像してたんです。聴いたことがあったのも割とアップテンポな、ギターの音がギュインギュインしててっていう感じだったので、ハスキーの対極にいるようなふんわりした声で、奇をてらったような歌い方じゃない、素直にたんたんと歌い上げられていくのが予想外でした。歌詞は非常にシンプルで回りくどさもなく、馴染みの言葉で紡がれているんだけど、その声や歌い方とは裏腹になかなか刺激的な内容となっておりまして…刺激的、というか、それ言っちゃうの!?もとい、それ言ってくれちゃうの!?ていう、そういうやつです。で、そんな歌詞をこれまた耳馴染みのいい綺麗な流れのメロディに乗せられてるんです。それが中学から高校にかけてよく聴いていた櫛引彩香の曲のような、同じ時期にこれまたよく聴いていたrough laughのような、J-POP気持ちいいメロディ選手権したら優勝しそうな勢いの王道さなんですね!(自分で書いてて全く分からない!!!!)

シアノタイプ

シアノタイプ

そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。

そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。

やっぱりデビュー1枚目のアルバムというのは、すごいですよね…!上記の2枚を聴いてるわけですけど、「シアノタイプ」からなかなか離れられない。で、なんでここにこんなに惹かれるのかなと考えた時に、歌詞が概ね怒ってるんですよね。曲調も歌声もアレンジもすごく爽やかなのにそこに乗せられる歌詞が概ね怒ってる。これは今の精神状態にとても小気味いいんです。あんなピクニックにでも行けちゃうようなリズムで「きみが嫌い☆」(☆はイメージです)ってさらっと歌ってのけてる。もう本当に、小気味いいです。
今はまだ選べなくて全体を通して聴くのが主なんですけど、どうしても少しの時間でも聴きたいときには必ず「長い待ち合わせ」を聴いています。是非歌詞を見ていただきたいんですけど、されたこともあるし、きっとしたこともあって、何ともいえない気持ちになる。
2枚目が今一番新しいCDなんですけど、歌詞を書いているハルカさん、歌詞よりも先に短歌を作る人なんですよね。「、」が付いててそれとは一見分からない風だけど、31文字に入れる術を知ってる。私にしては珍しく検索してしまったんですけど、歌人の穂村弘さんと対談されてる記事を見つけたので是非読んでみてください。言葉に対する考え方など面白いですし、全く関係ないけどやっぱりまだまだ若くてギラギラしてんなっていうのも見えて面白いです。

虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。

虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。

まだ聴いてないけどタイトルにハッ
で、その合間にはもう良過ぎてんんん〜〜〜〜!!てなりながらゲスの極み乙女。を聴いてます。この人たちは珍しく、最近の2枚の方が聴きやすくて好きです。「ドレスの脱ぎ方」もいいんだけど…ちょっとね〜〜〜!()
踊れないなら、ゲスになってしまえよ

踊れないなら、ゲスになってしまえよ

この2つのアーティスト、音楽の趣向としては真逆なんだけどどちらからも「怒り」を感じるのが面白い。それはもちろん歌詞だけじゃなく音楽全体から。ハルカトミユキはわざわざああいうメロディに乗せてる分私は更にその怒りの怖さを感じてるのかもしれない。