ロマンチックモード

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告白


あらすじ:娘を殺された母親が復讐します。
公開当時、この映画の宣伝はやたら切り替わりの早いカット割りで生徒が踊ったり死んだり松たか子がドッカーンしたり、それに合わせて山寺宏一あたりの耳障りの良いナレーションが滑らかに「空前絶後ノォ!」みたいなことを言っていた気がするんだけど、*1完全にスルーしてた。丁度暗めの色の血のりが流行し出したあたりで、ちょっとエキセントリックな設定で若い子達が血を盛大に噴出させておけばどう?これセンセーショナルでしょ?こういう刺激、スキでしょ?そんな風潮だもんで、お松には申し訳ないけど全く劇場に行く気が起きなかったし今後うっかり見ることがあればきっと金曜ロードショーとかでやるときだろうと思っていたわけだけど、見た。見ました。それも「イン・ザ・ヒーロー」と間違えて、うっかり。
松たか子が娘を何者かに殺され、その犯人に復讐をする物語…というあらすじが頭の中にあったんですけど、半分合っていて半分間違ってました。これは完全に復讐100%。詰め将棋のごとく追い詰められていく様は見ていて気分爽快間違いなし。勧善懲悪、と言っても過言ではないくらいあらゆる手を使って、粛々と破滅へと導く様は「仕事とはこのように遂行すべきである」というひとつのお手本のようにも見えたのであります。
思春期と言う面倒で残酷で特殊な時期の生徒の心を、熱く燃える新任教師の純粋な心を意のままに操る手練は、私には美しく見えたわけです。
復讐というのは、する人によって違うんだろうと思います。目には目を、歯には歯を、とは言いますが、相手の「目」と私の「目」が同じ「目」であるとは限らない。他人から見て過剰に見えるその復讐も、本人にとっては同じ「目」なのかもしれない。
余韻に浸りながらも野球で遅れに遅れて始まった『カルテット』を見ながら、お松は3時間見ても全然飽きないな、などと思っていた私です。ひとつ予想と違ったのは、うっかり見たのが金ローではなくBSプレミアムだったことくらい。

*1:埋め込んだ動画を確認せず書いています