ロマンチックモード

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STEAM版「Cities:Skylines」(2)

都市の発展とは、すなわち渋滞対策である。

yumegiwa.hatenablog.com

というわけで、いまだに遊んでいる。先の記事で本腰を入れて運営にあたっていた「yumegiwa村」は人口70,000人を超えたメトロポリスとなったところで頭打ちとなった。もう少し手を施せるような気もするが、本格的な再開発をするには知識が乏しいためこのあたりで打ち止めしておくことにした。しばらく需要ゲージも伸び、再開発の限界も感じていたので新しい土地の開発に着手したはいいものの、建つには建つが古いエリアの空室や死体・ゴミ回収の緩和には当たり前だが繋がらず、人口が減ってもそれらの問題が解決するわけでもなく、いわゆるゲームオーバーが見えたような状態であった。実際そうなったわけではないが、いわゆる降参である。

「yumegiwa村」は農業でガッチリ!と息巻いていたものの、ひとつ問題が起こった。住民や産業区画の要望に従い教育を充実させると、いわゆる一般産業・農業・鉱業に従事してくれる住人がいなくなるのだ。もちろん職場がそこしかない場合働いてくれるものの、需要と供給のミスマッチは幸福度を下げる。ひたすら「作り、売り、生活する」ことを繰り返し街を拡大させるだけなら住人はバカの方が扱いやすい。基本どんな仕事にもついてくれるからだ。そのかわり都市としての成長はない。例えば高いビルが建たなかったり、ゴミが大量に排出されたりする。教育を受ければ受けるほど「3K」と呼ばれる職業を敬遠されるんだけど、ゲームにしてはそのちょっとキツすぎやしないかいや分かるんだけどいや分かりたくないけど。

そして、一番重要なのが渋滞対策だ。このゲームはいわゆる車社会であるので、渋滞があまりにもひどいことになると都市機能がマヒする。ゴミが収集できず、霊柩車が必要な場所に行けない。16世紀のイギリスみたいになるのである。また、この渋滞のメカニズムもなかなかのもので、交差点と90度の曲がり角が一番の要因である。交差点はまあ分かる。作るたびに信号ができるわけで、それが外の街との往来に使われるものであればあるほど渋滞するだろう。これの対策としては『ラウンドアバウト』という手法がある。パリの凱旋門の周りの形だ。最初期であれば一番細い道路でも威力を発揮するし、発展して来たら一方通行にするとてきめんであった。でもこれもやはり限界がある。これと一緒にできるだけ最初のうちに高速道路との繋がりを着実に増やしていくことが必要だ。高速道路に近い区画を計画的に産業地域にしていきたいところである。
もう一つ、90度の曲がり角なのだけど、これはもう「凝りすぎだろ」としか感想が出てこなかった。このゲームの住人は90度の曲がり角で律義に減速するのである。人は平気で轢くのに曲がり角の速度に忠実なのがこのゲームの住人の特徴だ。とはいっても円形を保つカーブはとてもその…土地がもったいない。角が丸くなるとその分そこに建つ建物の面積も小さくなるわけで、効率としては悪いような気がする。そこで参考にしたのが『交差点禁止の街』である。


交差点禁止の街!?シティーズスカイライン実況プレイ! #1【Cities Skylines】

交差点禁止の街、つまり道路は常に一筆書きということになるわけなんだけど、このゲームの公共サービスはほぼすべて車で行われるので、一つの区画(一筆書きの円)の中にいちいちすべての公共サービスを入れ込まないといけない。また通勤や買い物の道筋も車以外で提供しなければいけないので、なかなかのしばりなのではあるが、ここに渋滞対策のヒントが隠されている…気がしながら見ている。実際この仕様で人口20万人を突破しているようなので嘘やろという気しかないのだが、あまたの災害を乗り越える市長の敏腕ぶりが楽しめるのでプレイしていなくても是非見ていただきたい。

そう、一筆書きの道路だと、渋滞しないのだ。しかもすべて円形カーブで街を形成している。というわけで早速「ぐにゃぐにゃ村」の作成に取り掛かったのだけど、この手法はすごい。もちろん私は特別な縛りはないのでガンガン交差点を作ってはいるんだけど、道路をぐにゃぐにゃさせるだけでごみ収集トラックの流れがめちゃくちゃいいのだ。再開発も視野に入れ、公共施設は主要道路の内側に寄せたりしているのもいいのかもしれない。
「ぐにゃぐにゃ村」は完全に実験で作り始めたものの、グイグイと人口が増えあっという間に7,000人を突破したところでひとまず終えた。高速道路との接続を雑にしたまま取り掛かったのでその部分だけ渋滞がひどいことになっているが、なかなかの手ごたえであった。動画の『交差点禁止の街』の手法はDLCがあって成り立っているようなところもあるのでその全てを真似ることはできないものの、思い切って別の街としての区画整理というのが必要だなと思った。

最初に書いたように、教育が与える街への影響や一度建てたものへの維持費、住民・商店・産業から得る税金の税率や支出のバランスなど、なかなかシビアなゲーム設計になっており、可能であれば中学校あたりで一度全員プレイしておいた方がいいのでは…などと思いながら、『住民が病気になっています』という表示を見ては「そんなわけあるか」と診療所の建築を渋る市長として精進しているところである。病は気からって言うからね。