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映画「アベンジャーズ」/「キャプテン・マーベル」

4月21日、前日に「マイティ・ソー」を観た私は「ロキの元気な顔が見たい」というだけの理由で「アベンジャーズ」を観ることにした。

アベンジャーズ

あらすじ:
ソーとロキの兄弟喧嘩に巻き込まれる人たち。

久しぶりの「アベンジャーズ」だったが、やはり「マイティ・ソー」を観た直後に鑑賞すると冒頭のロキのドヤ顔が引き立つ。以前の私ならアイアンマンくらいしか知らずに、この映画でそれぞれの特徴をなんとなく掴んだような感じだったのだが、予想外だったのは「トニー・スタークこんなにうざかったか?」と思ったことだった。最近の私の界隈のスタークと言えば仮面ライダービルドの元凶通称「スタアァァァク」であるが、今作もまた「スタアァァァク」と言わざるを得ない。口が悪すぎる。煽ることでしかコミュニケーションを取れない姿は確かに起業家のそれだが特にキャップがかわいそうすぎて頭を撫でたくなる。


ストーリーは皆さんご承知の通りなのだが、ソーを観たかどうかでこんなにも細かなシーンに気付きがあるとは思わなかった。それはコールソンからナタリー・ポートマンの現況を聞いたり、操られている博士に対して親愛を表したり、それこそ冒頭博士がロキに対して「ソーの弟か」というセリフだけで時系列が分かるようになっている。しかし一番の気付きはそこではない。あれだけ一生懸命ハンマーで橋を壊しておきながら、謎エネルギーですんなり地球へ来るソーこそ最強のブラコンである。いやいやいや、案外すんなり来たな…なんかもう「地球二度と来れないかも」みたいな空気出しといて…。


時間の都合上キャップの作品を飛ばしてしまっているのが悔やまれる。(アイアンマンも見直していない)取り急ぎエンドゲームまでにIWまで見終えたら遡って鑑賞する予定だ。待っててキャップ。


まあとにかく久しぶりに見た「アベンジャーズ」はハルクにビッタンビッタンされるロキに爆笑する、という具合に幕を閉じた。それにしても、ソー、一気に老けたな…。


アベンジャーズ」を観ながら私は気付いた。なるほど、これは「キャプテン・マーベル」が観たくなるやつやんけと。

キャプテン・マーベル


「キャプテン・マーベル」日本版本予告


公開直後に観に行ったのに感想を書いていなかった「キャプテン・マーベル」。正直めちゃくちゃ面白かったのだが、語りたくなる、という類ではなかったためなんとなく書きそびれていた。なんの予備知識もなく観に行って面白かったのは、この物語が単体で楽しめるよう出来ているからだと思う。


「語りたくなる類ではない」というのは、内容が無かったわけではない。むしろヒーローになり得る「素質」というものが、本来どういうものであるかが濃縮還元された作品だったと思う。


ヒーローの素質として、「スパイダーマン:スパイダーバース」では「諦めずに何度でも立ち上がること」を上げていた。確かにそうかもしれない。でもこの二作品のあまりに対照的な描写が引っかかる。

仲間から『こうじゃないと』と頭を押さえられ、それを退けることができず落ち込んだのが「スパイダーマン:スパイダーバース」の主人公だ。結局は立ち上がり、仲間に認められスパイディとなる。でも、これはヒーローだろうか。一生懸命迷い一度は膝をつき再び立ち上がったのは凄いことだ。でも何か、違わないか。

そのモヤモヤを晴らしてくれたのが「キャプテン・マーベル」だった。果敢に挑んでは地に足を着く彼女に周りは「女には無理だ」「女だからダメだ」という野次を飛ばす。それでもなお立ち上がり挑み続ける彼女こそ私にはヒーローに見えた。これは捉え方を絞ってしまうと、最近話題の東大入学式祝辞にも繋がるフェミニズムに直結してしまうが、大事なのはこの野次が「全く関係のない外野」からなのである。外野の声などもろともせず、挑み続けることこそ力なのだ。そしてそれは女性に限ったことではないだろう。男女問わず「お前は〇〇だから無理だ」と言われた経験がある人がいるのではないだろうか。私はそういう風に捉えた。(ただこの映画のこのシーンを応援するとしたら4/22現在であれば「たまたま男に生まれただけのボンクラどもめ!」と叫ぶだろう。これは大河ドラマ「いだてん」の名台詞である。)


とにかく、「キャプテン・マーベル」の物語としては、主人公であるヴァースがいかにキャプテン・マーベルとなったか、を主軸にしながら、ニック・フューリーがなぜアベンジャーズを結成しようと思い立ったか、というものを描いた「アベンジャーズ」の前日壇となっていたのだった。サミュエルさんは眼帯がお似合いよね、なんて「アベンジャーズ」を観ていたら、ネコチャンの仕業だったわけである。


「エンドゲーム」を観るための最短距離を行くつもりで見始めたのに、のっけから「アベンジャーズ」という余計なものを見てしまったせいで今また「キャプテン・マーベル」を観たくなるという罠にハマっている。MCUめ…恐ろしい子…。

そして、何故私が「キャプテン・マーベル」の感想をすぐに書けなかったのか理解できた。どうやってもスパイダーバースdisをしてしまうからだ。結局してしまったけれどね。