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映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」

9月12日、本編終了後のVシネはどんな作品でも好かんのじゃ~という自分の中のノブを宥めながら映画館に向かった。

あらすじ:
ドルヲタ、推しと付き合うってよ。

Vシネには「ポッと出の女」「滑りがちな空気」の二大イメージが強すぎてあまり好きではないのだけど、ビルドが好きだったのと、武田航平のインスタグラムが好きなのと、ちょっと評判がいいので久しぶりに観てみた。


面白かった!


ちょっと字を大きくしたくなるくらい、普通に面白かった。見て良かったと思えるくらい面白かった。


舞台は仮面ライダービルド本編、Vシネ「仮面ライダークローズ」を経た世界。「クローズ」は見ていないのだけど、「ビルド」で作り直されたはずの世界に何故彼らはライダーに変身でき、連絡を取り合えているのか、つまりVシネ「クローズ」の簡潔な説明がなされるので大丈夫だった。なかなか凝った設定なわりに「クローズ」が不評(私調べ)なのは設定ではなくストーリーに問題があったようだ。映画終了後、偶然会ったフォロワーさんにチラッと教えてもらったけれど、「クローズ」はまさに私の苦手とするタイプのVシネを地で行っていたらしい。


今回このVシネは同時上映として「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」があって、こちらが先に流れるのだけれど、終わってみればなんとまあ綺麗な作りの映画なんだと驚いた。猿渡一海ことかずみんの記念すべき映画とあって、全編に渡りかずみんの愛すべき生体が映し出されるので、かずみん好きにはもちろん武田航平好きにも満足な一本に仕上がっていると思う。

シリアスとギャグのバランスも絶妙で、「それでこそかずみん!」と拳を握るシーンの連続。私は「ドルヲタ」のラストから本編「グリス」のタイトルコールまででガッチリとハートを掴まれてしまった。かずみんはドルヲタの鏡であるので、もちろん本作もみーたんに首ったけである。一途なところもかずみんを構成する一つの要素なので、本編からかずみんのみーたん推しを目を細めながら見守ってきた私としては、よかったねかずみん、だと思ったかずみん、頑張れかずみん、生きてかずみん、成長してかずみん、と仮面ライダー映画史上最多の応援数を誇ったかもしれない。(かもしれない)

敵が変身するいわゆる悪のライダーも非常にスタイリッシュでカッコよく、動機も分かりやすい。何気に迷彩色の強いデザインというのはあまり見たことがなくて、いわゆるヒーロー側のライダーにもこういった色合いが出てくるといいな、と思った。

三羽烏も健在だし、本編ビルドの愛すべきキャラクターたちがこぞって出てくるものの、あくまで本作の主役はグリスであり、その配分・塩梅も丁度良かった。1時間という尺なので凝ったことはできないまでも、起承転結をきちんとなぞった展開はシンプルなストーリーに緩急が付けられ非常によかったし、なにより主役のグリスをとにかくカッコよく撮る!という意気込みが画面からにじみ出ていて、「このフォーム、こんなにカッコよかったっけ」なんて思ったりした。あ、あと久しぶりに剣星さんを見て「うわ~カッコいい~」とも思った。


かずみん好きにはもちろんのこと、綺麗な顔からは想像できないほど残念な空気を醸し出す武田航平の演技力も堪能できるのは、「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」だけ!ビルドが普通に楽しめたのなら、見て損はないと思う一本だった。