ロマンチックモード

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YUKI concert tour "Blink Blink" 2017(7/22@函館アリーナ)

昨年12月に購入したチケットが8ヶ月の時を経て火を吹きました。

まばたき

まばたき

アルバム「まばたき」の発売と、ソロデビュー15周年(!)のツアーでしたが、セットリストもまさにその通りで、『今まで』と『今』が詰まった2時間40分でした。
ライブはアルバムの1曲目「暴れたがっている」からスタート。逆光で顔が見えない中、丸いドレスのシルエットがいきいきと動いているのが分かる。「the end of shite」や「ワンダーライン」ラス前の「WAGON」など初期の大好きな曲も、「プレゼント」やアコースティックでの「Hello!」、ギターを担いでの「鳴いてる怪獣」など少し前の曲も改めて好きになっていく。「レディ・エレクトリック」で電飾煌く衣装を纏い、彼女が手を伸ばせば後ろの映像がビリビリ電気を発する。2回目の衣装チェンジは黒のスーツと見せかけておしりに大きな赤いフリルで、3つの衣装全てえげつない高さのヒールで最後まで走って踊り続けていました。
印象的だったのは「こんにちはニューワールド」、最新アルバム「まばたき」に収録されているミディアムナンバーは歌詞を読めばすぐに分かるほど彼女が函館から上京し2017年まで走り続けた心境が綴られている曲なんですけど、初めて声が震えて歌えなくなった彼女を見ました。1番のAメロからBメロにかけて、最初は低音部分が歌い辛いのかな?と思ったけど、震えながらも歌い続けた末にサビ前に「ごめんうまくうたえない」と声を漏らしたのでした。私もそんなに沢山の数を見ているわけではないけれど、初めてのことだったので本当に驚いた…
というのもですね、基本がすごすぎるんです。声量も高音も運動量もヒールの高さもえげつない。低音だからという理由で揺らぐような生半可なものじゃないんです。そんな彼女が感情に引っ張られて声を震わせることがあるのかと、そういう驚きがありました。そして、少し安心しました。サイボーグじゃなかったんだね…。
札幌公演で再三言っていた「函館が産んだスーパースター」をついに函館の地で言うことができたYUKIさんですけど、最後の方はヤンキーみたいな顔になってました。ラスト「トワイライト」を歌い上げ最後に「歌ってるのは誰だー!!??」と観客に呼びかけた時の鬼の形相、パなかったです!最後の最後はマイクを通さずお礼の言葉を口にした彼女なんですけど一緒に行った連れが「あと2時間は歌えそう」という感想を口にしていました。私も全く同じことを考えていた次第です。彼女はきっと怪獣で、ずっと鳴いてるんだと思う。
15周年に相応しいセットリストでしたが、印象に残ったのがまさかの「鳴いてる怪獣」で、過去にも聴いたことがあるはずなのに、やたらと胸に刻まれました。多分MCで「私には何度も思春期が訪れる」とさらっと言っていたのが大きいんだと思う。ともすれば恥ずかしい時期の「思春期」が、「何度も訪れている」ことを自覚できる強さ。「憧れのあの娘は雲の上」「愛されたいよと大きな声で鳴いてる怪獣」というのがその曲のサビの歌詞にあるんだけど、自分の周りの人はもちろん、才能だったり音楽の神様が雲の上にいて、そこに向かっていつまでたっても「飛んでる最中」なのがYUKIなんだなと、全く疲れを見せない衰えないパワフルな歌声にアテられながら考えていたのでした。
函館から帰ってからというもの、ライブを振り返ろうとするとあまりにもYUKIが強すぎて胸焼けしたりしてまして(笑)、今になってようやく書くことが出来ています。これアレだよ、鍛えておかないと次行った時も元気をもらうどころか吸い上げられるヤツだよ。そうならないよう筋トレしながら一生付いていきたい所存です。現場からは以上です。