ロマンチックモード

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小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ(6/15@Zepp Sapporo)

彼がCDを出しテレビに出ていたのは私が小学生〜中学生くらいの時で、まさかこの年になってライブに行けるなんて思わなかった。始まる直前まで友人と「小沢健二ってそもそも実在するの…?」とその存在を疑っていましたが、いましたいました。ちゃんといましたよ!オザケン!!(残念ながらネタバレがあります)

LIFE

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渋谷系――――――――ッ!!!!!!俺だーーーーーーーッ!!!!!!!!!
新曲を7曲、歌詞を出しながら披露していました。合間には子どもの頃に聞いた名曲が披露されます。随所にはにかみや「フフッ」といった微笑、キャッチーさだけかと思ったらそこそこ気持ち悪い振り付け、サビじゃなくハミングを求めたり、「とりあえずこちらの歌詞を一字一句間違わずに覚えていただいて」といった無茶振りなど大変インテリジェンスに溢れた2時間でございました。見る側に偏差値63くらいの設定してるだろこの無茶振りマンが!!!!
カウントダウンから始まったライブでしたが、なるほどあの瞬間から魔法がかかっていたんだなと思える構成で、途中には「盛り上がりすぎちゃって」と興奮冷めやらぬご様子でした。最後の方には幾度となく涙ぐんでおられた。涙ぐむくらいならちゃんとリリースしてもっとライブしてくれろと思いましたが、その営みが合わなかったからこそこのインターバルなんだろうし、それができたからこそこのライブが出来たんだろうなと思います。
もにょもにょしながら始まった「それはちょっと」、「ドアをノックするのは誰だ?」のサビではみんな普通に風を切って歩く振り付けをマネをする。いい大人ばっかりなのに!(!)\オッケーよ!/が最高だった「さよならなんて云えないよ」、「強い気持ち、強い愛」の合唱と、「ラブリー」あのギターのフレーズがクリアーに鳴った時の静かな熱気。今思い出せる知っている曲たちはどれも素晴らしく、それと同じように新曲として披露された7曲も素晴らしかった。
新曲たち、本当によかったです。歌詞は昔の曲よりも少しだけ難解になっていたけど、根底に流れる思想は同じだとすると理解できる。以前の曲が個人対個人だとしたら、もっと近い距離にある個人対個人になったような具合です。(伝わらない!無理!)アンコールでは新曲たちをその日の録音でもって振り返りながらその内2曲(正確には1曲だけど)を披露してくれました。最後にまたカウントダウンをしようとしたら会場内からヤダーという声が挙がってしまったけれど、少し困ってまたはにかんで、魔法が解けて日常に戻りました。
サメのダンスや届くダンス、合唱を求める声、ひとつひとつの楽器が上品としかいいようのないボリュームで抑えられ、テレビで見ていた頃と同じ声で、かつ低音にはキレイなビブラートがかかり、見た目はそのままで、一切説明のない民俗的な衣装とメイク、どれをとってもまさに『魔法的』としか言いようのないライブでした。帰宅してまず「さよならなんて云えないよ」の音源を聴いたら下手すぎて笑った。アンコールでもう一度披露された新曲、2回目に聴いてすでに「この曲が好きだ」と思ったので、本当にお願いですから音源化してくれろ〜〜!!!!!はい、以上です。
ところでやってること(歌詞テロップ・衣装・アンコール演出等)相当KANさんと被ってるんだけどこの捉え方・捉えられ方の差すごい。ただひとつ言えることは二人ともインテリだってことなんだぜ…!頭のいい人のやることは本当に最&高。余談ですけど今回のライブで小沢健二周辺のファン層というのを垣間見たんですけど詩的な人が多すぎて怒られそうだなと思いました。ただただ音楽が好きな人間というのはレッテルすら客観視して面白おかしく使ってしまうのでしばしば嫌われます。すいませんでした。