ロマンチックモード

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ズートピア(5/5)

若干のネタバレがあります。若干です。

あらすじ:うさぎときつねが市民の平和を守ります
SNSではケモナー達が騒いでおりますが、この映画はそういった部分を抜きにしても、かなり強いメッセージの込められた、王道の映画であります。そうなんです、王道なんです。王道を、丁寧に作っているので、予想できちゃうんですよね〜!いや〜もったいない!!
でもこの映画の個性は「強いメッセージ」の部分にあると思うし、それがもう最初から最後の最後まで執拗に描かれるので、これを全年齢対象作品に仕上げるためには「王道のストーリー」と「パッと見ファンタジックな世界観」が必要だよなあと思いました。
主人公であるうさぎのジュディときつねのニック、2人とも同じように夢を抱き、同じように努力し、同じように壁にぶつかりますが、うさぎのジュディは夢を叶え、きつねのニックは道を踏み外します。これがもう見ていて非常にツラい!萌えてる場合じゃない!!!分かってる、それは私がきつね側の人間だからであると。
この作品は世界に蔓延する差別を扱った映画です。物語の中で描かれる1つの大きな事件も差別から始まっていますが、それ以外の部分でもずっと小さなソレが、差別と気付かない差別がずっと起こってる。
こういった内容の映画が作られたことは素晴らしいんだけど、これが素晴らしいとされること自体情けない。そして30年余り生きてきた私にとっては、今までフタをしていた辛い記憶をツンツンつつかれるような気分になる、耳の痛い映画だったのでした。
動物の身体の大きさの比較が綿密に描かれているので、その違いをまざまざ体験できるのが映画の大きなスクリーンだと思うので、テーマこそ重たいですがひくひく動くうさぎの鼻やなまけものの動きの遅さを堪能できる可愛くて楽しい映画!それでいいと思います。わ、わたしはもう…いいかな…!(思い出してまた胃が)