ロマンチックモード

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夏を体感した夏休み

8月17日、夏休みも終わり、気象予報士の口から「残暑」という言葉が出てきた。3年ぶりのRSRとお参りを済ませた夏休みは、楽しくあっという間に過ぎていった。


3年ぶりのRSR。細かく天気をチェックしていたのと、通勤時の汗のかき方を考慮して暑さ対策に全振りしていったものの、見事撃沈。いや、無事に全行程会場で過ごし見たいアーティストも見たので頑張った方だと思う。とにかく汗がすごかった。汗が目立たないように白のTシャツを大量に持っていったのに、白のTシャツがびしょ濡れだと分かるレベルの発汗量を記録した。自分でちょっと引いた。ただこのびっちゃびちゃの汗によって熱中症を免れたのだろうなと思うと、自分の身体機能に感謝するしかない。


東洋水産の工場が近くなってくるとテンションが上がる。駐車場に入るまで1時間ちょっとの渋滞に加担してしまったけれど、これすら楽しいのだ。駐車場に入れば前夜の雨によるぬかるみで車が埋まったりしていてカオスであった。姉の軽自動車は「自分、やれます!」という音を盛大に響かせて無事に乗り切ってくれた。すでにカンカン照りで、テントサイトに着くまでにかなり体力を消耗してしまった。正直1日目の暑さは本当に本当にヤバくて、アナウンスや公式アプリでも熱中症注意のアラートがバンバン鳴った。恐らくそれで救護室もパンパンだったりしたのだろう。1日目は「ビールなんて飲んだら脱水で大変なことになりそう…」となってしまっていたくらい。厚田こだわり隊のフランクフルトはめちゃくちゃ美味しくて絶対ビールに合いそうだったけれど、我慢して250円のポカリ(高い)を何本も買った。


そんな1日目、私がしっかりステージを見に行ったのはサンステのクリープハイプ(16時頃)からだったのだけど、西日に照らされてどんどん顔が赤くなっていく尾崎世界観が可愛いなと思いながらも自分も暑さが限界になり、ラストの曲はテントに戻りながら背中で聴くことにした。幸いラストの演説が長くて、飲み物を買ってテントに戻り落ち着いて聴くことが出来た。この時間が一番体力がキツくて、何か食べないと本当にヤバイ、でも油ものとか絶対無理、量も食べれない…戻ってきた姉もかなり消耗していて、2人でローソンへ行った。お腹よわ民にとってこの日の暑さは「お店で調理されたものの衛生」問題も頭によぎるもので、そこでコンビニの出店がめちゃくちゃありがたかった。全国共通日持ちするよう作られたコンビニ鮭おにぎり。最高。


夕方、日が落ち着いてきて体調も戻ってきたので、予定通りアースステージの中村佳穂へ移動した。トイレにも行きたかったので始まりには間に合わなかったものの、レジャーサイトにクッションを敷いてその歌声に感動した。途中YOASOBIの特効の爆発音が聞こえたり、彼女の弾く静かなピアノの音に紛れて岸田繁の音頭が聴こえたり色々あったけど、素晴らしいステージだった。


そのままアースステージのレジャーサイトに陣取って、今年のメイン、ずっと真夜中でいいのに。を見る。圧巻のステージ。マイクテストからホーン隊が色んな曲を吹いて楽しませてくれたりしてテンションが上がっていく。人もどんどん増える。ついに始まってしまうと、それはもうすごかった。ホーン隊が彩りになって「生」感がすごい。なによりその歌声が、あまりにもそのままで素晴らしすぎる。感情的でいて伸びやかな歌声。中盤まで一気にたたみかけたとき、『発声禁止』のフェスで初めて歓声を聞いた。あれは、仕方ない。あれは声が出る。私はかなり自分にも人にも厳しい人間だけど、あれは仕方ないと思う。それくらい凄かった。顔出しをしないアーティストの1人(1組?)だけど、大画面のカメラワークが”ギリギリ”を捉えていて非常に良かった。衣装にはピントを合わせて、正面からはボケさせつつ口の動きが分かる程度に。シルエットの使い方も上手くて、見た目にも面白かった。「信玄のラーメン食べました」などのかわいらし発言もありつつ、最後までダンスさせられて、聴いたことがないと言っていた姉も大満足で、よし、帰るか!となった。もう本当に、大満足すぎて、Creepy Nutsに目もくれず本当に一時帰宅した。


車で10分も走れば実家についてしまうので、その夜はシャワーを浴びて、とうきびを食べながらラピュタを見た。


2日目、オールナイトの日。前日の反省を活かしてめちゃくちゃしっかり朝食を取り、着替えを潤沢に持って臨んだ。2日目も暑さはヤバかったけど、ビールを2杯飲めた。1杯目は恐らく黒ラベル、2杯目はローソンでからあげクンとクラシックを買って飲んだ。この2日間でローソンのこと大好きになっちゃった。ISHIYAで白い恋人がぶっ刺さったソフトクリームも食べて、夏を満喫した。夜ごはんはうどんを食べた。夜に備えてもう少し食べておいた方が良かったな、と思う。


スカパラで沢山踊って、怒髪天で沢山踊った。フジファブリックナンバーガールはアイスやうどんを食べながら遠目に見ていた。sumikaの声も聴こえていて、これがフェスのいいところだな、と改めて思う。夜のメインはレキシにした。沢山笑って、花火をじっくり見たあと、テントに戻る。


サタデーナイトセッションの頃にはすっかりお眠になっていて、ノロノロと着替えたり、新しく買ったシュラフにキャッキャしたりしていた。そんな早めの就寝準備をしながらも、ほとんど眠れなかった。正直「一睡もできなかった」ような気がしていたんだけど、あとからセットリストなんかを見ると意外と聞いていない曲があったりして、多分ちょこちょこスヤァとなっていんたんだなと思う。テントの中で、ぬくぬくしながら聴くサンステージの音は、それはもう最高だった。藤井風はトイレがてらステージも見たけれど、無風なので音がまっすぐ届くのをいいことにテントで聴くことにした。しばらくテントの前の椅子に座って聞きながら、そのうちまた中に入ってぬくぬくしたりした。それぞれの会場が近いから、フレデリックの楽しそうなダンスチューンも、坂本慎太郎も聴こえた。3時頃トイレに行ったときにはROTH BART BARONの「白日」に出くわしたりした。


ガチ入眠できなくとも、目をつぶって横になっていれば体力は回復する、という経験が活きて、BEGINはテントからクリアに聴いていた。たまにステージの方を見に行って、サーターアンダギーの歌に笑ったりした。5時頃、公演が終わって、姉と一緒にゆっくり片付け始める。本当にゆっくり片付けていたら1時間掛かってしまったけど、小さいカート二つに我ながら器用にまとめて帰宅した。


帰宅してシャワーを浴びたら、2か所虫に刺されていた。そのうちの一つは右手の親指の付け根にある。もう痒みはないけれど、赤いポツンがまだある。それを見るたびに、本当に楽しかったなと、石狩の匂いを思い出している。こんなにイヤな気持ちにならない虫刺されもあるんだな、と思った。


月曜日は霊堂へ行き、夫にビールを手向けた。先に来ていた向こうの家族が置いて行ったのだろうディズニーのお土産がまだあって、笑った。